プラネタリーヘルスとは、人間の健康と地球の健康が独立ではなく、相互依存によって成立しているとの認識をもって人間の政治・経済・社会のあり方を注視しつつ、最上の健康・ウェルビーイングと公正性を実現することです。いま私たちは安全に利用できる境界線を越えて地球資源を利用し、またその公平な分配においても多くの側面でその境界線をすでに超えています。そして気候変動を含め,変化をし続ける世界において、人間と地球との持続可能な関係を確立するための研究、教育と行動の枠組みを提供しようとしているのが、プラネタリーヘルスです。
プラネタリーヘルスアライアンス日本ハブとは
プラネタリーヘルスは、2015 年にロックフェラー財団とThe Lancet のプラネタリーヘルス委員会がその翌年Lancet 誌に発表した報告書『人新世における人間の健康の安全防護策』 で提唱し、その概念が急速に普及しました。この委員会メンバーが中心となり、2016 年にプラネタリーヘルスアライアンスが発足し(アメリカのJohns Hopkins大学が本部)、60 カ国以上の400以上の大学、非政府組織、研究機関、政府機関から成るコンソーシアムとして、この多様な学際領域の急速な成長の中心的役割を担っています。そして、2023年5 月にはプラネタリーヘルスアライアンス日本ハブ(長崎大学が事務局)が組織化され、欧米とはまた異なる自然と人間社会の境界をもつ日本やアジア地域での、プラネタリーヘルスへの枠組み提供について、議論を重ねています。様々な専門分野そして、学生からシニア世代まで幅広い年代層の方の参加を歓迎します。
- 代表 渡辺 知保(長崎大学)
- 甲斐 広文(熊本大学)
- 鹿嶋 小緒里(広島大学)
- 近藤 尚己(京都大学)
- 菅原 丈二(日本医療政策機構)
- 中村 桂子(東京医科歯科大学)
- 中村 安秀(日本WHO協会)
- 南齋 規介(国立環境研究所)
- 橋爪 真弘(東京大学)
- 藤原 武男(東京医科歯科大学)
- 三隅 将吾(熊本大学)
Planetary Health Alliance (本部 ワシントン, アメリカ)